玉葉妃は、翡翠のような艶やかな瞳と紅い髪を持つ、異国情緒あふれる美貌の持ち主です。後宮に足を踏み入れた当初から四婦のひとり「貴妃(貴人)」として翡翠宮(ひすいきゅう)に住まい、皇帝の寵愛を一身に受けていました。
彼女の正体を語る上で外せないのが、西方の大拠点である西都を治める有力者「玉袁(ぎょくえん)」の娘という出自です。西方系の血を引く彼女のエキゾチックな容姿は、後宮内でも唯一無二の輝きを放っています。しかし、その高貴な出自は単なる後ろ盾にとどまらず、中央政界と西都の利害関係が交錯する後宮において、常に警戒と権謀術数の標的となる宿命を背負っていました。
翡翠宮を取り仕切る侍女頭・紅娘(ホンニャン)をはじめ、桜花(インファ)、貴園(グイエン)、愛藍(アイラン)といった侍女たちは皆、玉葉妃に対して絶対の忠誠を誓っています。派閥争いが日常茶飯事の後宮において、玉葉妃陣営が結束を乱さず常に清廉な空気を保ち続けられたのは、彼女自身の朗らかで気配りに満ちた人間性にほかなりません。