ウィリス動脈輪の完全ガイド|構成・簡単な覚え方から破格と動脈瘤リスクまで

ウィリス動脈輪の完全ガイド|構成・簡単な覚え方から破格と動脈瘤リスクまで

ウィリス動脈輪の完全ガイド|構成・簡単な覚え方から破格と動脈瘤リスクまでの見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。

ウィリス動脈輪は、血流を迂回させる側副血行路としての恩恵をもたらす一方で、血流の方向転換や分岐が複雑に入り組むため、血管壁に強い血行力学的ストレス(ずり応力)がかかりやすい構造的宿命を抱えています。

日本脳卒中学会などの臨床統計資料によると、未破裂脳動脈瘤の約85〜90%はウィリス動脈輪およびその近傍の分岐部に発生します。代表的な3大好発部位は以下の通りです。

  • 前交通動脈分岐部(A-com瘤):左右の血流が激しく衝突・合流するポイントであり、破裂すると重篤なクモ膜下出血を引き起こします。
  • 内頸動脈-後交通動脈分岐部(IC-PC瘤):動脈瘤が拡大すると近接する動眼神経を圧迫し、「片側のまぶたが下がる(眼瞼下垂)」「瞳孔が開いて光に反応しない(散瞳)」といった神経麻痺症状が前兆として現れるのが特徴です。
  • 中大脳動脈分岐部(MCA瘤):内頸動脈から直線的に血流が流れ込むM1/M2分岐部に多く生じます。

また、ウィリス動脈輪を語る上で欠かせない疾患が指定難病である「もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)」です。厚生労働省難治性疾患政策研究班の調査報告によると、本症は内頸動脈の終末部(ウィリス動脈輪の入り口)が進行性に細くなり、やがて閉塞してしまう原因不明の疾患です。

血流が途絶えかけた脳は生き残るため、細い毛細血管のバイパス網を頭蓋底に無数に発達させます。この新生血管群が脳血管造影検査でタバコの煙のように「もやもや」と写し出されることから命名されました。小児では熱いラーメンをフーフーと冷ますなどの過呼吸を契機とする一過性脳虚血発作(TIA)、成人では耐えきれなくなったもやもや血管の破綻による頭蓋内出血として発症するケースが多いため、早期の血行再建術(バイパス手術)の適応判断が極めて重要になります。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。