大手インテリアショップや実店舗型量販店でソファーを探すと、2人掛けで3万〜5万円、大型カウチソファーなら8万〜15万円が一般的な相場です。一方、タンスのゲンでは2人掛けソファーが1万円台前半から、大型カウチソファーでも3万〜4万円台という破壊的なプライシングが設定されています。この価格差の裏には、緻密に構築されたビジネスモデルが存在します。
最大の要因は、無店舗型D2C(Direct to Consumer)モデルの徹底です。家具の街として知られる福岡県大川市発祥の同社は、都市部の一等地に巨大なショールームを展開せず、販売チャネルを自社ECサイトおよび大手モールに集約。これにより、莫大なテナント料、店舗スタッフの人件費、展示用在庫の償還コストを完全に排除しています。
さらに、商品企画から海外提携工場での大量一括生産、自社コンテナによる直接輸入、国内メガ倉庫からの直販配送までをサプライチェーンで一気通貫させています。流通各社が介在する中間マージンを極限まで削ぎ落としているため、「品質を落としたから安い」のではなく「流通構造を最適化したから安い」というのが経済構造上の実態です。