東京駅や銀座からも徒歩圏内という都心の一等地にありながら、間口の狭い隠れ家的な佇まいの京橋本店。その店頭に絶え間なく人が吸い寄せられる背景には、単なるブームにとどまらない強固な3つの理由が存在します。
第1の理由は、「味噌汁のように丼の中で仕上げる」独自のタレ合わせ技法です。札幌味噌ラーメンの多くはラードを熱した中華鍋で野菜を炒め、そこにスープと味噌を投入して焼き付けますが、ど・みそでは丼に直接生の味噌ダレ、厳選された上質な背脂、香味油を配し、そこに熱々の清湯・白湯スープを注ぎ込みます。これにより、火入れによって損なわれがちな生味噌本来の豊かな発酵香とスパイスの立ち上がりがダイレクトに鼻腔を刺激します。
第2の理由は、五感を刺激するスパイスと香味油の立体設計にあります。創業者の故・宮本堅介氏が試行錯誤の末に生み出した秘伝ダレには、八丁味噌をはじめとする厳選5種の赤味噌をベースに、山椒や数種類の特製スパイスが絶妙な比率で練り込まれています。濃厚でありながら後味に嫌なしつこさが残らず、最後の一滴までレンゲが進む中毒性は、この緻密な香りのレイヤーによって生み出されています。
第3の理由は、一切の妥協を排した「麺とスープの同期」です。後述する浅草開化楼の特製麺は、力強い味噌の風味と背脂の粘度を受け止めるために専用開発されたもの。歴代の職人たちが一杯ごとに茹で時間と湯切りをミリ単位で調整し、常にベストな状態で提供するオペレーションの高さが、リピーターの足を止めさせません。