陸上自衛隊立川駐屯地の最大の特徴は、内閣府が策定した防災基本計画に基づく「立川広域防災基地」の航空運用ハブとして機能している点にあります。東京23区が大規模被災によって機能不全に陥った場合、国の災害緊急現地対策本部が立川広域防災基地内に設置され、立川飛行場の滑走路を通じて人員や緊急支援物資の空輸が一手に担われます。
駐屯地内には、首都圏および東日本全域の航空支援を担う東部方面航空隊の本部が置かれています。多用途ヘリコプター「UH-1J」や最新鋭の「UH-2」、対戦車ヘリコプター「AH-1S」、連絡偵察機などが配備されており、24時間態勢で緊急発進(スクランブル)が可能な航空即応体制が敷かれています。
立川飛行場(滑走路長約900m)を取り囲むように、警視庁航空隊、東京消防庁航空隊、海上保安庁総務部海上保安航空センター、さらには国立病院機構災害医療センターが隣接して配置されています。自衛隊・警察・消防・海保という異なる組織の航空部隊が単一の滑走路を共有して常時共同訓練を実施している環境は全国的にも極めて珍しく、大規模災害時における「即時連携の強さ」の根拠となっています。
近年の災害派遣ニュースでも報じられた通り、能登半島地震や各地の風水害において、東部方面航空隊のヘリコプターは立川から被災地上空へ即座に急行し、孤立集落の状況偵察や傷病者の緊急搬送で極めて高い成果を挙げています。