インターネット上には「財産を使い切って簡素に逝けば迷惑はかからない」「遺言書を机に置いておけば万全」といった無責任な言説が散見されますが、これらには重大な法的な欠陥があります。
誤解1:エンディングノートに書けば法的効力がある?
エンディングノートは家族へのメッセージや希望を伝える優れたツールですが、法的な拘束力は一切ありません。ノートに「延命治療は拒否する」「友人の〇〇に預金を譲る」「散骨してほしい」と記載しても、医療機関や金融機関、行政は法的な責任を回避できないため、原則として従う義務を負いません。希望を具現化するには、それぞれ法的根拠を持つ別の契約書や宣言書が必要です。
誤解2:疎遠な親族には連絡がいかない?
「30年間会っていない親族だから迷惑はかからない」という考えも通用しません。警察や自治体は、戸籍謄本を調査して第3順位の相続人(兄弟姉妹・甥姪)まで機械的に連絡を入れます。ある日突然、見知らぬ警察署から「親族のご遺体を引き取ってほしい」と電話がかかってくることこそが、残された側にとって最大の心理的負担となります。