昭和から平成初期にかけて刊行された芸能人 写真集 なぜ流行した 理由を振り返ると、そこにはテレビの普及と雑誌メディアの黄金期が密接にリンクしていました。お茶の間のブラウン管で清純派として親しまれていた女優やアイドルが、ある日突然、すべてを脱ぎ捨てて銀塩フィルムの前に立つ。その圧倒的なギャップは、今でいう「メガバズ」を紙媒体だけで全国規模に引き起こす破壊力を持っていました。
2026年の今、再びこれら「昔のヌード」が脚光を浴びている最大の理由は、「デジタル補正(レタッチ)以前の生の肉体美」への回帰願望です。SNSやAI技術によって誰もが完璧な肌やプロポーションを瞬時に生成できる現代において、肌の質感、産毛、血管の浮き出方、光と影の陰影をそのまま焼き付けた大判フィルムの質感は、もはや失われた職人技の領域にあります。
大手古書店主への取材によると、購入層はリアルタイムで熱狂した50〜60代の男性だけではありません。20代前後のクリエイターや女性層、さらには海外のアートコレクターが、1970〜90年代の日本のエディトリアルデザインや印刷技術の極致として買い求める事例が急増しています。印刷の網点の細かさ、紙の選定、製本技術に至るまで、当時の出版界が注ぎ込んだ莫大な制作費と熱量が、半世紀近くを経て文化遺産としての輝きを放ち始めています。