ネット上の掲示板やSNSでは、「日本郵政の不動産会社だから、まったり公務員気質なのではないか」「親会社の土地があるから営業努力をしていないのではないか」という穿った見方がなされることがあります。しかし、実際のビジネススキームを観察すると、この認識は明確な誤解です。
第一に、グループ保有地だからといって無条件に開発ができるわけではありません。郵便局は地域社会における重要なインフラであり、窓口ネットワークの維持と住民の利便性確保を前提とした複雑な合意形成が求められます。地元自治体、商店街、住民、さらには総務省の監督指針をクリアしながら採算性の合う開発スキームを組み立てる難易度は、一般的な更地買収型デベロッパーのそれを遥かに凌駕します。
第二に、近年の建築コスト高騰への対応です。資材価格の上昇や労務費の急騰は、すべてのデベロッパーを直撃しています。その中で同社は、賃料設定の見直しや用途構成の最適化、さらには外部資本との共同開発アライアンスを積極的に推進しています。官公庁的な安定感を漂わせつつも、現場で求められる実務水準は徹底した市場競争原理に基づいています。