人の不幸は蜜の味と感じる理由|脳科学が暴く感情の罠と自己嫌悪の処方箋

人の不幸は蜜の味と感じる理由|脳科学が暴く感情の罠と自己嫌悪の処方箋

人の不幸は蜜の味と感じる理由|脳科学が暴く感情の罠と自己嫌悪の処方箋の詳細解説をお届けします。役立つ情報が満載です。

「なぜ、他人の不幸を喜ぶ心理が生じるのか」という疑問に対し、神経科学は明確な客観的証拠を提示しています。脳科学者の中野信子氏が自著や学術解説で度々言及している通り、シャーデンフロイデは道徳心の欠如ではなく、脳の報酬系回路が生み出す生理現象です。

国立研究開発法人放射線医学総合研究所などの研究チームが実施した機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた実験によると、人が他者に対して強い「嫉妬」を抱いているとき、脳内で身体的な痛みを感じる部位と同じ背側前頭帯状回(dACC)が激しく活性化することが判明しています。つまり、他人の成功や恵まれた環境を見せつけられている瞬間、脳は「痛めつけられている」のと同等の苦痛を味わっているのです。

そして、その嫉妬の対象者が失敗や失脚に見舞われた瞬間、脳の痛みシグナルは瞬時に沈静化し、代わりに報酬や快楽を司る腹側線条体(側坐核など)が活発に作動します。ここから神経伝達物質であるドーパミンがドッと放出されます。この脳内プロセスこそが「蜜の味」の実体です。脳科学の観点から言えば、脳が「痛みの緩和(安心)」と「快楽物質の分泌(報酬)」を同時に受け取るため、理性のブレーキをすり抜けて快感が湧き上がってしまう構造になっています。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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