Q1:加害者から「仕事を失うので物損事故にしてほしい。その代わり治療費は全額自分が個人的に払う」と約束されました。応じても平気ですか?
A1:絶対に受け入れてはなりません。現場での口約束は示談交渉が始まると「そんな約束はしていない」「治療費が高すぎる」と覆されるトラブルが日常茶飯事です。加害者が途中で支払いを放棄した場合、物損扱いのままでは相手の自賠責保険にも直接請求できず、被害者がすべての治療費を被ることになります。一切の私的取引を断り、警察へ正しく診断書を提出してください。
Q2:物損事故扱いのままでも、相手の任意保険会社から治療費が支払われているのはなぜですか?
A2:任意保険会社が被害者救済と示談の迅速化を目的に、社内手続きとして「人身事故証明書入手不能理由書」という特例書類を提出させることで、形式上は物損事故のまま対人賠償保険から治療費を支払う運用を行っているためです。しかし、これは保険会社の裁量による一時的な措置に過ぎません。症状が少し長引いた段階で「物損事故の軽微な衝撃であるため、これ以上の通院は医学的に必要ない」と主張され、早い段階で治療費の打ち切りを通告される強力な口実に使われます。
Q3:事故から3週間が経過して強い痛みが出ました。今からでも人身事故に切り替えられますか?
A3:警察での受理は極めて厳しくなりますが、諦めるべきではありません。まずは大至急整形外科を受診し、医師に「事故直後からの症状の経過」を詳細に説明して診断書を作成してもらってください。警察が「期間が空きすぎている」と切り替えを拒絶した場合でも、弁護士を介して「人身事故証明書入手不能理由書」を保険会社へ差し入れ、民事上の人身損害(慰謝料や休業損害)を請求するルートが残されています。
Q4:警察に事故の届出を全くしなかった場合、保険金は受け取れますか?
A4:保険金が支払われない可能性が極めて高くなります。保険金の請求には交通事故証明書(自動車安全運転センター発行)が原則必須であり、警察への届出がなければこの証明書自体が発行されません。さらに、事故の不申告は道路交通法第72条違反として処罰の対象となるため、軽微な接触であっても直ちに110番通報して警察官を臨場させることが鉄則です。