高校2年生が書店に出向いても、大学入試の「赤本」のように全統模試の過去問が単独で平積みされている光景を目にすることはありません。河合塾の公式出版物として流通しているのは、主に高校3年生・既卒生を対象とした『共通テスト総合問題集(黒本)』や各大学別の入試対策本に限られています。多くの受験生が疑問に思う「高2全統模試の過去問が売ってない決定的な理由」には、教育測定学上の合理的な根拠が存在します。
模試の主目的は、現時点における学習到達度と弱点を客観的に診断することです。特に高2の段階では、学校によって各科目の進度に大きな開きがあります。もし過去問が広く市販され、事前に問題形式や解法を丸暗記した状態で模試を受検できるようになれば、本来の実力とはかけ離れた「見せかけの偏差値」が算出されてしまいます。大手予備校関係者によると、母集団全体の判定精度を守り、全国規模での統計的信頼性を維持するために、高2模試の過去問は意図的にオープンマーケットで一般流通させない体制が敷かれています。
正規ルートで河合塾全統模試の高2過去問を入手する方法は極めて限定的です。河合塾の校舎に通塾している在校生向けに自習用教材として一部貸出・閲覧が認められているケースや、学校一括受検を実施している中高一貫校・進学校の進路指導室に過年度分がストックされている場合に限られます。独学や他塾で学ぶ一般受検生が、合法かつ新品の状態で過去問を購入する手段は公式には用意されていません。