親の信仰によって特定の教義やライフスタイルを強制され、進路選択や人間関係、金銭的自由を奪われる宗教二世問題は、2022年以降の日本社会で最も深刻な人権課題として浮き彫りになりました。
文部科学省や被害者支援弁護団の調査報告、当事者手記によると、幼少期からの「地獄に落ちる」「世俗の文化は悪魔のもの」といった恐怖の刷り込みが、子どもの健全な自己決定権を著しく侵害してきた実態が明らかになっています。元二世信者の手記には「親を悲しませたくない一心で教えに従い続けたが、自分の感情が完全に麻痺していった」という生々しい独白が記されています。
教団側が用いるマインドコントロールの手口は、極めて巧妙かつ段階的です。初期段階では「無償の愛」や「温かい歓迎」で警戒心を解き(ラブ・ボミング)、次第に外部情報(テレビ、インターネット、親族友人)へのアクセスを制限して情報遮断を行います。続いて「教団の外は悪の世界」という二元論を植え付け、恐怖心と罪悪感を利用して信者の批判的思考力を奪っていきます。最終的には「組織の意向=神の意志」と内面化させ、自発的に献金や勧誘を行わせる心理的従属状態を完成させます。