メニエール病は、内耳のリンパ液に異常が生じることで、激しい回転性のめまい、低音障害型の難聴、耳鳴りを突発的に繰り返す難病です。舞台上で激しいステップを踏み、正確な音程を捉えることが生命線であるミュージカル俳優・ダンサーにとって、この疾患はまさに選手生命を脅かす致命的な宣告でした。
退所後の約1年間、今井翼は芸能界の第一線から完全に姿を消し、静養に徹しました。投薬治療と並行して、過度なプレッシャーから心身を解放し、自らの生活リズムを徹底的に見直すリハビリテーションの日々が続きました。焦りや孤独感に苛まれながらも、愛するスペイン文化やフラメンコへの情熱、そして復帰を待つファンの存在が彼を支え続けました。
転機となったのは2020年2月、片岡愛之助が主演を務めるシスティーナ歌舞伎『NOBUNAGA』へのゲスト出演でした。約1年半ぶりのステージで堂々たる立ち回りを披露し、劇的な体調復帰を宣言。その後、2023年6月に再び体調不良による一時的な活動休止を挟んだものの、無理のないスケジュール調整と綿密な体調管理を確立し、2024年初頭に再び活動を再開。2026年の現在に至るまで、病気と真摯に向き合いながら舞台に立ち続けています。