御嶽山噴火における犠牲者の死因について、長野県警察および担当医・法医学者らによる検視結果は極めて衝撃的な事実を明らかにしています。公式な検視統計によると、確認された死因の約8割以上が噴石の直撃を受けたことによる「多発外傷」または頭蓋骨骨折・内臓破裂などの「損傷死」でした。
爆発直後、火口から猛烈な勢いで吹き上げられた岩石(噴石)は、時速数百キロメートルもの速度で山頂周辺へ弾丸のように降り注ぎました。被災現場で収容された犠牲者の遺体状況を検証した法医学チームの報告によると、背後から強烈な衝撃を受けた痕跡や、登山用リュックサックごと貫通・損壊しているケースが多数確認されています。背負っていた水筒や金属製クッカーが激しくひしゃげ、防御の盾となっていた事例もありましたが、頭骨や胸腹部への直撃を完全に防ぐことは不可能でした。
一方で、大規模噴火で警戒される火山灰の吸入による窒息死や火砕流・高温ガスによる熱傷死は、全体から見ると少数派でした。発生した火山灰混じりの噴煙(火砕サージ・低体温型火砕流)は山頂を包み込み視界を奪い、呼吸困難を引き起こしたものの、死に至らしめた主因は物理的な破砕力を持つ無数の噴石だったことが学術的・法医学的に証明されています。