吉田美和の人生を語る上で避けて通れないのが、かつての事実婚パートナーであった映像ディレクター・末田健(すえだ けん)氏との死別です。
末田氏はドリカムのミュージックビデオなどを手掛けていた気鋭の映像作家で、2004年に吉田美和が「事実婚」として人生のパートナーであることを公表しました。しかし、幸せな日々は長く続かず、2007年9月、末田氏は「胚細胞腫瘍(悪性腫瘍の一種)」のため33歳という若さで急逝してしまいます。
突然訪れた最愛の人の死に、吉田美和は心身ともに深い打撃を受け、一時は歌うことすら困難な状態に追い込まれました。直後に行われたライブツアーでは気丈にステージに立ち続けたものの、関係者によると舞台裏では涙を流し続ける日々だったと伝えられています。この壮絶なグリーフ(喪失の悲嘆)を昇華させて生まれた名曲が、2007年末に発表されたアルバム『AND I LOVE YOU』の表題曲でした。
闇の底にいた吉田美和が、音楽を通じて再び前を向く過程で出会ったのが、太陽のようなポジティブなエネルギーと真っ直ぐな音楽愛を持つJUONでした。傷ついた心を無理にこじ開けるのではなく、音の響き合いを通じて自然に寄り添ったJUONの存在が、彼女の止まっていた心の時間を動かしたと言われています。