事件の首謀者として指弾されたのが、当時のプロデューサーであったイワン・シャポヴァロフだ。彼はt.A.T.u.を単なるポップ・ロックユニットではなく、既存のエンターテインメント業界のルールを破壊する「反逆のアイコン」として売り出す狙いを持っていた。
関係者の回想によれば、本番直前に楽屋でジュリア・ヴォルコヴァとレーナ・カティーナに対し、「ステージに出るな」と直接命令を下したのがシャポヴァロフだったという。生放送をドタキャンすることによって世界的スキャンダルを巻き起こし、注目度を極限まで高めるという無謀なPR戦略だった。若くして一躍スターとなった2人は、プロデューサーの絶対的な指示に従うほかなかったのが悲劇の始まりだった。