TikTokやInstagramのショート動画で、あえて哀愁漂う歌謡曲をBGMに選ぶ投稿が急増している。このトレンドの背景にあるのは、記号化されたラブソングに対する若者たちの「飽き」かもしれない。直接的すぎる歌詞や、打ち込み主体の平坦なサウンドに囲まれた世代にとって、生楽器の重厚な響きと泥臭い人間模様を描いた歌詞世界は、むしろエッジの効いたオルタナティブミュージックとして機能しているのだ。
特に10代後半から20代のリスナーからは、「歌詞の一言一言が重い」「エモさを通り越して心が締め付けられる」といった声が上がっている。早送りが当たり前の時代に、彼らはあえて立ち止まり、じっくりと歌に耳を傾ける贅沢さを再発見している。