数年前から欧米を中心に吹き荒れた「Japandi(ジャパンディ)」のブームは、2026年に入り、より深みのあるフェーズへと移行した。単に木目調の家具と北欧雑貨を組み合わせるだけの表面的なスタイルは影を潜め、日本古来の建築思想である「陰翳礼讃」や「見立て」の美学を本質的に取り入れたキッチン設計が脚光を浴びている。
特に注目を集めているのが、調理器具や水回りの存在感を削ぎ落としたフラットな直線美だ。格子のデザインを取り入れた引き戸や、土壁を思わせるマットな質感のウォールペイントが、近代的なアイランドキッチンと見事な対話を生み出している。空間全体がまるで一つの静かなギャラリーのような趣を醸し出す。