キャラクターデザイン業界の動向を掘り下げると、人々の心理的欲求の変化が鮮明に浮かび上がる。過剰な情報と完璧さが求められる現代社会において、不完全さや「スキ」を感じさせるデザインが強力な癒やしとして機能しているのだ。
長年にわたり親しまれるカナヘイ氏の描く愛らしい動物たちや、株式会社サンエックスが生み出した『すみっコぐらし』のどこか切なく温かい世界観は、その流れを決定づけた。さらに株式会社サンリオも時代に合わせた脱力系キャラクターの展開を加速させており、この潮流は一時的な流行にとどまらない。
とりわけ、ナガノ氏が手掛ける『ちいかわ なんかし小さくてかわいいやつ』の大ヒットは象徴的だ。単に愛くるしいだけでなく、過酷な日常や人間味のある感情を描き出すことで、大人の層まで巻き込む一大ムーブメントへと昇華させた。