この現象のルーツを辿ると、日本のケータイ文化が爆発的な進化を遂げた2000年代中盤へと行き着く。NTTドコモをはじめとするキャリア各社がパケット定額制を普及させたことで、若者のコミュニケーションの主役は通話からメールへと一気に移行した。
その渦中で誕生したのが、画面を華やかに彩るデコメ(デコレーションメール)や、テキストとグラフィックを融合させた画像表現だ。当時の若者たちは、限られた画面解像度と厳しいファイル容量制限の制約の中で、いかに自分の感情や「切なさ」を視覚化するか試行錯誤を繰り返していた。その情熱が生み出した歪で繊細な表現様式こそが、現在の再評価ブームを支える頑丈な骨組みとなっている。