シリーズ中盤、第30話「死ぬなタックル!最後の波勝ち」で描かれた結末は、子ども向け番組の枠組みを根底から揺るがした。強敵・ドクターケイトの猛毒に侵された彼女は、自らの命と引き換えに捨て身の必殺技「ウルトラサイクロン」を放つ。相打ちという形での凄絶な戦死。この瞬間、岬ユリ子の生命の灯火は消えた。
なぜ彼女は生前「仮面ライダー」の称号を得られなかったのか。作品内での真実として、ストロンガーこと城茂は彼女を「戦いに巻き込まれた普通の少女」として記憶にとどめたかったからだという解釈がある。戦士としての過酷な称号ではなく、一人の女性として安らかに眠ってほしい――そんな茂の痛切な愛と悲しみが、彼女を「電波人間」のまま散らせた最大の理由でもあったのだ。