「鏡に映る顔と、他人に撮られた写真の顔、どちらが本当の自分なのか」という疑問は、長年ネット上でも激論が交わされているテーマです。この論争の背景には、心理学における単純接触効果(ザイオンス効果)と、光学機器の特性が深く関係しています。
人間は、毎日自宅の鏡で見ている「左右反転した自分の顔」に無意識の親近感と愛着を抱いています。しかし、他人が見ている顔や写真に写る顔は「左右反転していない非反転の顔」です。人間の顔は完全な左右対称(シンメトリー)ではなく、目の大きさや口角の上がり方に必ず左右差があります。そのため、写真に撮られた非反転の顔を見た瞬間、脳は「見慣れた顔と微妙に違う不気味な違和感」を検知し、ブサイクに見えたと錯覚してしまうのです。
一方で、スマートフォンカメラの顔も必ずしも100%正確な現実ではありません。スマホの標準カメラには焦点距離の短い広角レンズが採用されており、30cm〜50cm程度の至近距離から撮影すると、中心部(鼻や顔の中心)が大きく膨らみ、顔の外側が後ろに引っ張られる「パースペクティブ歪み」が物理的に発生します。
自分の客観的な輪郭とパーツ配置を確認したい場合は、市販されているリバーサルミラー(左右非反転鏡)を使用するか、2枚の鏡を直角(90度)に配置する合わせ鏡を活用するのが最も確実です。合わせ鏡を正面から覗き込んだときに映る姿こそが、他者の網膜に映っている「物理的に正確な左右の配置」です。