著名人の突発的な死亡事故では、時として心ないデマやネット上の憶測が一人歩きすることがあります。桜塚やっくんの事故においても、当時の2ちゃんねる(現5ちゃんねる)やまとめブログを中心として、事実無根の流言飛語が複数拡散されました。報道機関の確定記録に基づき、これらの誤解を明確に是正します。
デマ1:「後続車を運転していた犯人は大学生で飲酒暴走だった」という説
事故直後、一部のネット掲示板で「はねた車の運転手は地元の大学生で、猛スピードで暴走していた」という書き込みが拡散されました。しかし、これは完全なデマです。警察の公式発表によると、桜塚やっくんをはねた後続の乗用車を運転していたのは下関市在住の男性会社員、マネージャーの砂守さんをはねたトラックを運転していたのは福岡県在住の運送業の男性でした。いずれも飲酒や著しい信号無視などの悪質な違法行為によるものではなく、視界不良の雨天時に追い越し車線上に現れた障害物(人および停止車両)を避けきれなかった自動車運転過失致死の疑いで捜査が行われました。悪質な加害者が意図的に引き起こした暴走事故ではありません。
デマ2:「遺体がバラバラになっていた」という猟奇的流言
死因として「心臓破裂」というショッキングな医学用語が報道されたことや、高速道路で大型車にはねられたという断片的な情報が結合し、「遺体の損傷が激しく原型をとどめていなかった」といったセンセーショナルな噂が広まりました。しかし、現場に駆けつけた関係者や当時の救護記録によれば、外傷性の強い衝撃を受けたことは事実であるものの、ネット上で囁かれたような猟奇的な状態というのは悪質な誇張表現に過ぎません。搬送先の病院でも遺族や関係者との対面が通常通り行われており、悪質なネット怪談の類として退けられるべき情報です。
デマ3:「事故直前のブログに心霊写真が写っていた」というオカルト論
桜塚やっくんが事故直前に更新していたアメーバブログの写真や移動中のスナップ写真に対し、「ガラスに不気味な顔が写り込んでいる」「死を予見する影があった」などとオカルトめいた結びつけを行う動きがありました。これらは、人間の脳がランダムな光の反射や模様を人間の顔と錯覚するパレイドリア現象に過ぎません。過密日程と悪天候、そして危険な道路環境という極めて物理的・構造的な要因によって引き起こされた事故をオカルト視することは、真実の教訓から目を背けさせる無責任な消費と言わざるを得ません。