大統領の執務室であるオーバルオフィスや大統領公邸を備えたホワイトハウスの所在地は「1600 Pennsylvania Avenue NW, Washington, D.C. 20500」です。すぐ東側には連邦議会議事堂(キャピトル・ヒル)、南側には最高裁判所が配置され、半径数キロメートル圏内に三権の最高機関が集約されています。
日本(東京)やイギリス(ロンドン)、フランス(パリ)のように「政治と経済の機能が1都市に一極集中」している国が多い中、アメリカが政治(ワシントンD.C.)と経済(ニューヨーク)を分離させた構造には、明確な統治思想が込められています。
建国の父たちは、強大な金融資本や大企業が政治の中枢を直接支配する「金権政治の暴走」を強く警戒しました。経済の中心から物理的な距離を置き、純粋に国益と法治を議論する場として設計されたのがワシントンD.C.という都市空間です。この都市構造は、オーストラリア(政治:キャンベラ/経済:シドニー)やカナダ(政治:オタワ/経済:トロント)、ブラジル(政治:ブラジリア/経済:サンパウロ)など、多くの連邦制国家のモデルケースとなりました。