遠東航空103便なぜ空中分解したか|向田邦子の悲劇と機体腐食の真相

遠東航空103便なぜ空中分解したか|向田邦子の悲劇と機体腐食の真相

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「なぜ、飛行中の旅客機が何の前触れもなくバラバラになったのか」――台湾交通部民用航空局(CAA)および米国国家運輸安全委員会(NTSB)の専門調査官らによって編纂された遠東航空の事故調査報告書は、恐るべき構造破壊のプロセスを明らかにしました。

直接的な引き金となったのは、客室下部・前部貨物室付近における外板およびフレームの激しい機体腐食と、それに伴う金属疲労の蓄積でした。飛行機は上昇・下降を繰り返すごとに機内を加圧・減圧するため、胴体には風船のように膨張と収縮を繰り返す強い応力がかかります。103便は腐食によって著しく強度が低下していた胴体下部が、高度上昇に伴う内外の気圧差に耐えきれず、一気に吹き飛ぶ「爆発的減圧(急減圧)」を起こしました。

急減圧によって機体底面から床板が吹き抜け、操縦系統のケーブルや電気配線が瞬時に破断。耐空性を完全に失った機体は、猛烈な空気抵抗と突風荷重を受けて空中分解に至ったのです。

では、なぜそこまで深刻な腐食が放置されていたのか。調査報告書は以下の3つの致命的要因を指摘しています。

  • 過酷な運航環境:台湾国内線において、海水を含んだ魚介類・エビなどの生鮮海産物を日常的に貨物室へ積載していたため、塩分を含んだ水分が床下に漏れ出し、アルミニウム合金を急速に酸化・腐食させていた。
  • 高サイクル運航と不十分な洗浄:短距離を1日に何往復もする過密スケジュールの中で、胴体内部の洗浄や防錆処理が形骸化していた。
  • 点検の見逃しと簡易補修:過去の点検時に腐食の兆候が確認されていたにもかかわらず、抜本的な外板張り替えを行わず、簡易的な当て板修理で済ませていた。
阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。