宿が位置する山梨県南都留郡山中湖村は、古くから避暑地として文人や財界人に愛されてきた土地だ。標高約1,000メートルという冷涼な気候が、夏には心地よい清涼感を、冬には凛とした透明感をもたらす。都心から車で2時間足らずという立地でありながら、手つかずの自然が色濃く残る。
さらに、一帯は富士箱根伊豆国立公園の指定区域内にあり、建物の開発や景観保全に関して極めて厳格な規制が敷かれている。この厳しさが結果として、商業的なノイズを排除した上質なリゾート環境を維持することにつながった。朝の散策路では野鳥のさえずりと湖の波音だけが響き、都会の喧騒に疲れた現代人の神経を穏やかに解きほぐしていく。