売り場で隣り合って並ぶ二つの袋。見た目も食感も異なるこれらを同じ時間で戻していては、料理の仕上がりは台無しになる。米粒ほどの「芽ひじき」は葉の部分で、繊維が繊細で火通りが極めて速い。水なら20分、ぬるま湯ならわずか8分から10分でふっくらと仕上がる。煮汁をたっぷり抱き込むため、炊き込みご飯や白和えに向く。
対照的なのが、茎の部分を集めた「長ひじき」だ。力強い歯ごたえと太い繊維を持つため、水戻しには最低でも30分を要する。急ぐあまり熱湯で無理やり戻すと、外側だけがふやけて芯が残る悲惨な結果を招く。噛むほどに広がる磯の力強さを引き出したいなら、長ひじきはじっくりと時間をかけ、繊維の奥まで水を届かせる辛抱強さが求められる。