同一視とは何か?無意識の重ね合わせが生む人間関係の罠と心理の真相

同一視とは何か?無意識の重ね合わせが生む人間関係の罠と心理の真相

同一視とは何か?無意識の重ね合わせが生む人間関係の罠と心理の真相とはどのようなものなのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

臨床の現場やネット上の相談窓口でも極めて多く見られるのが、「同一視」と「投影(投射)」の混同です。どちらもフロイトが提唱した無意識の防衛機制ですが、心のエネルギーが向かうベクトルが正反対です。

投影(Projection)とは、自分自身の中にある「認めたくない欠点・怒り・嫉妬心」を自分のものとして受け入れられず、無意識に他者がその感情を持っているかのように錯覚する機制を指します。自分が相手を嫌っているのに「あの人は私のことが嫌いに違いない」と思い込むケースが代表例です。

精神分析家のメラニー・クラインが提唱した「投影同一視(Projective Identification)」も含め、心の防衛機制の相違点を比較データとして整理しました。

機制の名称心理的プロセス・方向性典型的な行動・具体例人間関係へのリスク同一視(同一化)他者の価値・属性を自分の中に取り込み、自己と他者を融合させる有名人のブランドや子どもの成功を「自分の価値」として誇示する境界線の喪失、過干渉、共依存関係の形成投影(投射)自分の中の受け入れがたい感情を相手に押し付ける自分が抱く敵意や浮気心を「相手が抱いている」と疑い責め立てる被害妄想、いわれのない言いがかりによる衝突投影同一視自分の感情を相手に投影した上で、相手がその通りに行動するよう無意識に誘導する「どうせ怒っているんでしょ」としつこく挑発し、実際に相手を激怒させる精神的コントロール、激しい感情の搾取と対立取り入れ(摂取)他者の価値観や信念を吟味せず、そのまま無批判に飲み込む親の厳しい倫理観や「こうあるべき」を自分の絶対的ルールとする過度な自責感、自己否定、抑うつ状態の誘発

このように、「他者を自分と重ねるのか(同一視)」それとも「自分の一部を他者に貼り付けるのか(投影)」という力学を意識するだけでも、人間関係の歪みの正体を客観的に捉えやすくなります。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。