世界が注目する台湾の半導体エコシステムにおいて、國科會は「研究開発インフラの提供」と「高度人材の供給パイプライン」を盤石にする戦略的黒幕として機能しています。単に民間企業の設備投資を補助するだけでなく、10年先を見据えた次世代テクノロジーの種まきを担当している点が特徴です。
特に注目すべきは、先端半導体製造を支えるサイエンスパーク(新竹、中部、南部科学園区)の管理・運営権限を國科會が握っている点です。TSMCをはじめとするファウンドリ企業が最先端プロセス開発に専念できるよう、水・電力インフラの確保、税制優遇、産学共同ラボの整備を国家主導でパッケージ化して提供しています。
さらに國科會は「晶創台湾方案(台湾チップベース・イノベーション・プログラム)」を本格稼働させています。これは、AI半導体や次世代ヘテロジニアス集積(異種チップ集積技術)への巨額投資を進めるとともに、海外の優秀なIC設計エンジニアを台湾に誘致・育成する国家プロジェクトです。台湾現地の報道各社の取材データによると、ファブレス新興企業への試作支援環境を國科會直轄の台湾半導体研究センター(TSRI)が提供することで、スタートアップの参入障壁を劇的に引き下げています。