日本列島が世界有数の地震国である理由は、地球規模の動態論であるプレートテクトニクスに帰着する。太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートという4枚のプレートがひしめき合い、互いに異なる方向と速度で押し込みを続けている。この沈み込み帯こそが、巨大な歪みエネルギーを生み出す巨大な工場だ。
文部科学省に設置された地震調査研究推進本部の平田直委員長をはじめとする地球物理学者たちは、固着域(アスペリティ)の滑り遅れを長年監視してきた。海溝沿いで引きずり込まれた上盤プレートの先端は、弓のように極限まで撓んでいる。ひとたびロックが外れれば、蓄積された数百年分のエネルギーが一瞬で解放される宿命にある。