都筑区の食を語る上で欠かせないのが、日本料理とイタリア料理のハイレベルな競合関係だ。いずれも素材の鮮度と季節感を極限まで引き出す哲学が共通している。
端正な白木カウンターで提供される日本料理の昼御膳は、丁寧にとられた一番出汁の香りが鼻腔をくすぐる。焼き魚の皮目の香ばしさ、旬の小鉢の繊細な味付け。日々の喧騒を忘れさせる贅沢な時間が流れる。一方、薪窯を備えたトラットリアでは、400度を超える高温で一気に焼き上げられたナポリピッツァが皿の上で弾ける。焦げ目のほろ苦さと小麦の甘み、フレッシュなモッツァレラチーズのコクが織りなすハーモニーは、一度体験すると忘れられない。