今年の大規模化を決定づけた影の主役が、いわゆる「ゾンビ火災(Overwintering Fires)」だ。氷点下30度に達する極寒の冬期であっても、地表の下深くにある泥炭層(ペート)の内部で火種が途絶えることなく密かに燃え続け、春の乾燥とともに地上へと吹き出す現象である。
消防隊員がどれほど表面の消火を完了させても、足元の地下では灼熱の炭化が進行している。この見えない敵の存在が、防衛ラインの構築を極めて難しくしている。泥炭が燃えることで大量の二酸化炭素とメタンが放出され、それがさらなる地球温暖化を引き起こすという悪循環も深刻を極めている。