ファンの間で長年語り継がれているのが、フリーザ第三形態と映画『エイリアン』の類似性です。後頭部に向かって長く突き出た滑らかな頭骨、唇のない剥き出しの歯、人間離れしたシルエットは、デザイナーのH・R・ギーガーが生み出したゼノモーフの造形美学を色濃く反映しています。
SF映画をこよなく愛する鳥山明氏らしいリスペクトが詰まったビジュアルですが、真の妙味はその「次の形態」とのコントラストにありました。
「巨大で凶悪な怪物」という誰もが想像する強敵のステレオタイプを第三形態で一度提示しておき、その直後に「極めて小柄でツルリとした無駄のない最終形態」を登場させる。この視覚的な裏切りこそが鳥山マジックであり、第三形態のグロテスクな異形感があったからこそ、最終形態の静謐な狂気が際立つ計算された構造になっています。