藤原紀香さんのビジュアルを語る上で欠かせないのが、歌舞伎俳優・片岡愛之助さんの妻としての顔です。劇場でのご挨拶やお練り、各種式典など、梨園の妻としての着物髪型を披露する機会が日常的に存在します。
和装における髪型は、伝統的な「夜会巻き」や「抱き合わせ」といった格式高い日本髪の技法がベースとなります。着物の襟元や帯のボリュームに負けないよう、髪をしっかりとまとめ上げ、びん(サイド)やたぼ(後頭部下部)に十分なふくらみを持たせるのが着物ヘアの鉄則です。このセットは単体で見ると非常に重厚で、頭部が大きく見えるクラシカルな造形美を持っています。
問題は、この和装ヘアの印象が強いまま、洋装でテレビ番組やイベントに登場した際です。和装用のしっかりとしたセットの癖や、華やかさを好むスタイリングの傾向が洋服のカジュアルさと衝突した際、世間から「髪型が浮いていておかしい」と指摘されてしまう要因になっています。伝統の世界に身を置く立場と、現代的な女優としての立場の両立が、ビジュアルの受け取られ方に複雑な影響を与えているのです。