では、なぜ配給会社はファンから嫌われるリスクを冒してまでタレントを起用するのか。理由は単純明快、プロモーションのためだ。映画公開前、テレビのワイドショーや情報番組で作品を取り上げてもらうには、世間の認知度が高い芸能人の存在が不可欠とされる。バラエティ番組にゲスト出演させ、映画の宣伝をしてもらうパッケージ契約が主流だからだ。
しかし、この手法は「劇場に足を運ばせるための呼び水」にはなっても、作品自体のクオリティを担保するものではない。SNSが普及し、個人の口コミが映画の興行収入を左右する現代において、宣伝のためのキャスティングが本編の評価を下げてしまうという本末転倒な現象が起きている。