1990年代末、日本経済が長期停滞の霧の中にあった時代、東京駅の超一等地である旧国鉄本社跡地の再開発コンペに世界的な激震が走った。名だたる国内大手デベロッパーを抑え、落札を勝ち取ったのは香港の若き実業家、リチャード・リー(李澤楷)率いるパシフィック・センチュリー・グループ(PCG)だった。
当時のアジアマネーが日本の中心部にこれほど巨大なインパクトを与えた例は他にない。このプロジェクトは、後の丸の内再開発プロジェクト全体の起爆剤となり、東京という都市の国際競争力を底上げする歴史的な転換点となった。外資ならではの大胆な構想と圧倒的なスピード感。その熱量が、現在の建物の隅々にまで息づいている。