レシピ動画やネットの投稿でよく見かける手順の中には、調理科学の観点から見直すべき点がいくつか存在します。
第一の誤解は、「ツナ缶のオイルは体に悪いので全て捨てるべき」という極端な処理です。ツナ缶の油には、マグロやカツオから溶け出したDHA・EPAや魚のうま味成分が豊富に含まれています。全量を入れるとギトギトになりますが、軽く油を切る程度(半分ほど残す)にしてつゆに混ぜ込むことで、だしの役割を果たし味に格段の深みが生まれます。
第二の誤解は、「トマトの種は食感が悪くなるため取り除くべき」という説です。トマトの種を包むゼリー状の部分には、果肉部分の約3倍の遊離グルタミン酸が集中しています。種を取り去ってしまうと、せっかくの天然のうま味を大幅に捨てることになります。種ごとザク切りにしてつゆに和え、果汁ごと麺に絡めるのが正解です。