相続が「争族」へと変貌する背景には、単なる金銭的損得だけでなく、長年蓄積された家族内の感情的なもつれがあります。家族社会学や臨床心理学の観点では、親の生前に見られた「親子の共依存関係」や「長男優遇などの不均衡な家族観」が、被相続人の死を契機に噴出するケースが極めて多いと指摘されています。互いのプライベートに過度に踏み込みすぎず、冷静な心理的バウンダリー(境界線)を引いて法律上のルールに則ることが、円満な解決への唯一の近道です。
【自分たちだけで手続きを進めてよいケース】
- 遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を明らかに下回っている
- 相続人が配偶者と実子のみなど少数で、生前の人間関係が極めて良好である
- 被相続人に借金や未払金がなく、遺産の内容が数件の銀行預金のみとシンプルである
【迷わず弁護士・司法書士・税理士に相談すべきケース】
- 不動産が複数ある、未上場株式を保有しているなど資産評価が複雑である
- 前妻との間の子、養子、行方不明の親族、認知された子が存在する
- 生前贈与の額に大きな偏りがあり、不公平感を訴えている相続人がいる
- 被相続人の借金総額が不明瞭で、相続放棄や限定承認の検討が必要である