ネット上には、アフィリエイトブログやまとめサイトを中心にVTuberの前世一覧と題したコンテンツが無数に存在します。しかし、報道関係者や情報リテラシーの専門家が警告するように、これらのサイトに掲載されている情報の真実性には大きな疑問符が付きます。
事実として、ネット上に流通している素顔画像の相当数が、全くの別人である一般人の写真や、過去に一時的なコラボレーションを行った第三者の写真、さらには生成AIを用いて精巧に作られた偽造画像です。一度「このタレントの前世は〇〇である」というデマが流布されると、検索エンジンの関連検索ワードやまとめサイトの無断転載を通じて既成事実化してしまう構造的な病理が存在します。
社会心理学の観点から見れば、これは「パラソーシャル関係(擬似親密性)」の歪みとして説明されます。視聴者は画面越しのアバターに対して強い愛着と親近感を抱くあまり、「裏側の真実をすべて把握したい」という強い認知欲求(コントロール欲求)に駆られます。この心理的隙間にまとめサイトやゴシップ系インフルエンサーのPV稼ぎが合致し、虚実入り混じった情報が際限なく再生産されるのです。