華やかな脚光の裏で、彼の身体は悲鳴を上げていた。長年の激闘で両膝はボロボロになり、場所中は厳重なテーピングなしには土俵に立てない状態が続いていた。立ち合いの一瞬にかかる激しい衝撃は、想像を絶する痛みを膝にもたらしていたはずだ。
しかし、彼は一度たりとも怪我を言い訳にしなかった。土俵に上がれば痛みを一切顔に出さず、ただ目の前の相手を倒すことだけに集中する。どれほど体調が万全でなくとも、与えられた場所で全力を尽くす。そのプロフェッショナルな姿勢こそが、同僚力士や親方衆から絶大な信頼と尊敬を集めた最大の理由である。