同期でありライバルでもあった松本人志の才能を誰よりも早く見抜き、自らの漫才コンビ解散の契機としたエピソードは有名だ。天才の出現を素直に認め、戦い方を変える潔さ。吉本興業株式会社という巨大な組織の中で、己の立ち位置を最適化し続けた胆力はどこから生まれたのか。
彼の言葉には、人間関係の本質を突くフレーズが数多く存在する。相手を観察し、何を求めているかを察知し、先回りして価値を提供する。人心掌握術の極意は、媚びることではなく「相手の欲望を理解すること」にあった。この冷徹なまでの客観性こそが、彼の圧倒的な求心力の源泉である。