本作が日本のテレビ史に刻んだ最大の功績は、事件捜査という行為の時間軸そのものを解体・再構築した点にある。コールドケース(未解決事件)の解明という「過去の清算」から、潜入捜査とビッグデータによる「未来の予測」へ。ひとつの作品群のなかでこれほど大胆にジャンルを越境した例は他にない。
その中心軸であり続けたのが、警視庁という巨大組織のリアリズムだ。部署間の政治闘争、権力者による隠蔽工作、そして現場の人道的な葛藤。監視社会の到来を予見していたかのようなスリリングなプロットは、現実の法整備やAI技術の進化と重なり合い、恐ろしいほどの予言性を帯びていた。虚構と現実の境界が曖昧になる感覚こそが、視聴者を惹きつけてやまない理由だ。