二人の絆の深さが世間に最も強く印象づけられたのが、2019年1月の人的補償劇でした。読売ジャイアンツがFA権を行使した丸佳浩外野手を獲得した際、球団の生え抜きスターであり首位打者経験者でもある長野がプロテクト枠から漏れ、広島東洋カープへ移籍することが電撃決定したのです。球界内外に走った衝撃は計り知れませんでした。
この時、長野は「強い広島に選んでいただき光栄」と紳士的なコメントを発表し、一切の不満を漏らしませんでした。その裏で最も心を砕いていたのが妻・下平さやかアナです。当時、テレビ朝日のエグゼクティブアナウンサーとして重責を担っていた彼女は、仕事を辞めて夫に帯同する道は選びませんでした。「お互いが自立したプロフェッショナルであること」を前提に、東京と広島を新幹線で頻繁に往復する二拠点生活を決断したのです。
公式発表資料や当時の密着報道によると、下平アナは東京での生放送やナレーション業務の合間を縫い、週末や連休のたびに広島へ通い詰めました。遠征や遠距離生活で偏りがちな長野の栄養管理を徹底するため、作り置きの料理を冷蔵庫いっぱいに用意し、アスリートフードマイスター顔負けの献立で夫をバックアップ。広島ファンや関係者からも「長野の妻の献身ぶりとプロ意識は素晴らしい」と絶賛され、移籍初年度から長野が広島の若手から慕われ、精神的支柱として機能した大きな原動力となりました。