落語ファンのみならず多くの人々が気にかけているのが、海老名香葉子の健康状態です。大正・昭和の面影を残す名門の象徴として健筆を振るってきた彼女も、1933年(昭和8年)10月6日生まれであり、2026年の誕生日を迎えると93歳に達します。
90代という年齢を鑑みれば、加齢に伴う身体的な変化が生じるのはごく自然なことです。報道関係者や寄席関係者の証言によると、近年は長距離の歩行に杖や車椅子を補助として活用する場面が増えているものの、意識は極めて明晰であり、日々の会話にも衰えは感じられないといいます。一時期ネット上で囁かれた「認知症で寝たきり」「深刻な大病で極秘入院中」といったセンセーショナルな言説は、公の場への露出頻度が減ったことによる典型的な憶測に過ぎません。
現在も生活の拠点は、東京都台東区根岸にある通称「根岸の総本山」と呼ばれる自宅にあります。この邸宅には長男・九代目林家正蔵の世帯をはじめとする親族が同居・近居しており、万全の見守り体制が敷かれています。毎日の規則正しい食事、訪問医療スタッフによる定期的なバイタルチェック、そして家族との団らんが彼女の健康を支える礎です。かつて一門の弟子たち数十人の食事を毎日切り盛りしていた猛烈な日々から一転、現在は静謐で穏やかな時間を過ごしています。