1985年に結婚し、ロック界のオシドリ夫婦として認知されていた布袋と山下の関係は、なぜ破綻に至ったのか。その決定打となったのは、今井の存在とそれに伴う夫婦間の亀裂でした。山下久美子は2002年に発表した自伝『ある愛の詩』(幻冬舎)のなかで、夫の心が親友へと移ろっていく過程を目の当たりにした当時の生々しい胸中を告白しています。
同書では、布袋の態度が冷淡になっていく様子や、信じていた後輩シンガーに対する不信感、そして家庭が崩壊していく過程が痛切な筆致で描かれています。ある日、山下が夫の持ち物から見覚えのある筆跡のメッセージを見つけた瞬間や、夫から告げられた別れの言葉など、一次情報として記された内容は世間に大きな衝撃を与えました。単なるすれ違いではなく、「信頼していた二人に同時に裏切られた」という事実が、布袋寅泰と山下久美子の離婚理由の核心にありました。
別居生活を経て、1997年に布袋と山下の離婚が正式に成立。その後、1999年に布袋と今井は入籍を発表します。山下はこの手記の中で、激しい絶望の淵に立たされながらも、最終的には自らの人生を取り戻すために離婚届に判を押したと述べており、読者の深い共感と同情を集めました。