TSMCの進出発表以来、国内外の環境専門家や地域住民から根強く指摘されてきたのが、熊本の半導体工場における水資源懸念です。半導体製造には莫大な超純水が不可欠であり、熊本地域の生命線である地下水を枯渇させるのではないかという不安が広がりました。
この懸念に対し、官民一体となった「地下水保全対策」が敷かれています。最大のポイントは、半導体工場で使われる工業用水と、大津菊陽水道企業団が町民に届ける飲料用上水道の水源が明確に区分されている点です。工業用水については、竜門ダムなど河川表流水の利水転用や高度なリサイクル循環システムの構築が進められており、生活用地下水の乱掘を防ぐ設計が徹底されています。
さらに、大津菊陽水道企業団では徹底した水質管理を実施。定期的に公表される水質検査結果では、有機フッ素化合物(PFAS)をはじめとする有害化学物質の検査項目が厳格にチェックされており、いずれも国の水質基準値を大幅に下回る極めて良好な安全性を維持しています。阿蘇の火山灰層が育んだ「蛇口から出る天然ミネラルウォーター」の品質は、最新の監視網によって強固に守られています。