歯を補う治療法を検討する際、避けて通れないのがブリッジとインプラントの費用比較です。両者の比較において、目先の見積もり金額だけを見て「ブリッジのほうが圧倒的に得だ」と判断するのは早計です。
インプラントは1本あたり外科手術・土台・被せ物を含めて35万円〜55万円前後の自由診療費用がかかります。欠損歯が1本の場合、自費のジルコニアブリッジ(約30万〜45万円)とインプラント1本分の治療費は、実はほぼ同等の価格帯に位置しています。「自費ブリッジを選ぶくらいなら、健康な歯を削らないインプラントにすべきではないか」という議論が生じるのはこのためです。
さらに見逃せないのが「10年〜15年スパンでのトータルコスト」です。ブリッジは両隣の2本の歯に「1本分以上の余分な咬合負担」を背負わせる構造上、土台となった支台歯が揺らぎやすく、二次虫歯(補綴物の内部で進む虫歯)によって神経の抜去や抜歯に至るケースが少なくありません。支台歯がダメになれば、次は4本・5本の広範囲なブリッジへ拡大するか、結局部分入れ歯や複数本のインプラント治療へ移行することになり、生涯で支払う歯科医療費が雪だるま式に膨らむ構造的なリスクが存在します。