検索窓に店舗名を入力した際、予測候補として浮上する「閉店」の二文字に胸をざわつかせた読者も少なくないはずだ。流通業界の動向を取材してきた記者が裏付け調査を行ったところ、スポーツデポ光星店が閉店したという事実は一切なく、2026年現在も活気ある営業を継続していることが確認できた。
では、なぜこのような根拠のない風評が拡散したのか。その背景には、札幌都市圏における商業地勢の激変と、検索アルゴリズムが引き起こす特有の「認知バイアス」が絡み合っている。
第一の要因は、近隣商業施設のスクラップ&ビルドに伴う連想だ。JR苗穂駅周辺の再開発や、札幌駅周辺の商業ビル建て替え(エスタの閉館など)に伴い、道内の大型スポーツ店や衣料品量販店の移転・統廃合が相次いだ。このドミノ的な閉店報道に触れた消費者が、「近隣の大型商業ゾーンにあるスポーツデポ光星店も影響を受けるのではないか」と不安を募らせ、一斉に検索をかけた履歴がキーワードとして固定化された経緯がある。
第二の要因は、同店が定期的に実施する「フロアリニューアルに伴う売り尽くしセール」である。店内に「売り尽くし」「全品徹底値下げ」といった赤札のバナーが大々的に掲示された際、前後の文脈を把握していない来店客が「完全閉店するのでは」と誤解し、SNSや掲示板へ早合点した投稿を行ったことが噂の拡散に拍車をかけた。
アルペングループの公式店舗データが示すスポーツデポ光星店の現在の営業状況は極めて堅調だ。都市型ライフスタイルと本格的アウトドア・スポーツ需要の双方を満たす重要拠点として、道内ドミナント網の中核に位置づけられている。