数学の解説で頻繁に使われる与式の読み方は「よしき」です。「しきをあたえる」と訓読みするのではなく、音読みで統一されています。人名にも同じ響きがあるため初学者は戸惑いがちですが、数学用語として確固たる地位を築いています。
その意味は極めてシンプルで、「問題文ですでに与えられている式(与えられた式)」を指します。例えば、次のような因数分解や式の展開を求める問題があったとします。
【例題】次の式を展開せよ:$(x + 2)(x + 5)$
この問いに対して解答を作成する際、わざわざ問題文の式をもう一度丸写しする手間を省くため、「(与式)$= x^2 + 7x + 10$」と書き始めるのが一般的な使われ方です。文字通り「与えられた数式そのもの」を指し示す代名詞として機能します。
なお、国際的な学術シーンや英語圏の数学テキストにおける与式の英語表現は「the given equation(与えられた方程式)」や「the given expression(与えられた数式)」と表記されます。英語圏でも同様に「与えられたもの」として前提に置く表現が標準です。