猫に引っかかれた後、体調に異変を感じても「病院は何科に行けばいいのか」と迷う患者は非常に多く見られます。症状の段階や負傷した部位に応じて、適切な診療科を選択することが早期治癒への近道となります。
まず、受傷直後から数日以内に皮膚の表面が赤く腫れ、痛みを伴っている初期段階であれば「皮膚科」または「形成外科」を受診するのが基本です。特に形成外科は傷跡をきれいに治す処置と感染管理の両方に精通しており、顔や手首など目立つ箇所の傷には最適です。
一方で、引っかかれた部位が「手の甲、指の関節、手首の腱の近く」である場合は、迷わず「整形外科」を選択してください。手や指は皮下組織が薄く、爪の先端が腱鞘(腱を包む鞘)や関節腔に直接届きやすいためです。指が曲げられない、動かすと激痛が走るという症状は腱鞘炎を起こしている証拠であり、放置すれば手術による排膿処置が必要となります。
さらに、受傷から数日〜数週間が経過し、「37.5度以上の発熱症状がある」「首や脇のリンパ節が腫れて触ると痛い」「全身の倦怠感が抜けない」といった全身性の兆候が出ている場合は、「感染症内科」または「総合診療科(内科)」へ足を運んでください。この段階では局所処置だけでなく、血液検査による炎症反応(CRP値)や白血球数のチェック、適切な抗菌薬の全身投与が不可欠となります。
受診すべきかどうかの客観的な受診の目安としては、以下の4つのシグナルが基準となります:
- 傷口の周りが受傷時よりも明らかに赤く広がり、触ると熱を持っている
- 心臓の鼓動に合わせて「ズキズキ」と痛む(拍動痛)
- 傷口から黄色や白っぽい膿(うみ)が出ている、または悪臭がする
- 受傷後数日〜数週間経ってから、リンパ節の腫れや原因不明の微熱が続いている
これらのうち1つでも該当すれば、翌朝を待たずに速やかに医療機関を受診すべきアラートサインです。